ED治療で医療費控除を受けるには?医師処方ならオンラインも対象

「ED治療にかかる高額な費用、少しでも負担を減らせないか」と悩んでいませんか。

実は、不妊治療を目的とした医師の処方によるED治療であれば、医療費控除の対象となり税金が還付される可能性があります

オンライン診療も対象になるなど、意外と知られていない条件も少なくありません。

本記事では、ED治療が医療費控除の対象となる基準や対象外のケース、さらには具体的な確定申告の手順まで詳しく解説します。

この記事で分かること
  • ED治療は医療費控除の対象になる?
  • 医療費控除の対象になるED治療費・薬代と対象外のケース
  • オンライン診療によるED治療も医療費控除の対象になる?
  • 実際にED治療費を確定申告して医療費控除を申請してみた
  • ED治療で医療費控除を受けるための確定申告の具体的な手順

ED治療は医療費控除の対象になる?基本の適用条件

お金と電卓

ED治療にかかる費用は、一定の条件を満たすことで医療費控除の適用を受けられます。

ただし、すべてのED治療が無条件で対象になるわけではなく、「不妊治療に直結するED治療」であることが大前提となります。

医療費控除とは、1年間で支払った医療費が基準額を超えた場合に、確定申告で所得税の一部が還付される制度です。

毎回の診察代や薬代による実質的な出費を抑えるため、どのような基準で対象となるのか基本となる適用条件について詳しく解説していきます。

ED治療が医療費控除の対象となる基準

ED治療にかかる費用が医療費控除の対象として認められるためには、所得税法で定められた要件を満たす必要があります。

最大の基準となるのが、そのED治療が「不妊治療の一環」として行われているという事実です。

単なる機能改善やQOLの向上を目的とした治療は原則として対象外となり、夫婦で不妊治療に取り組む中で医師が必要と判断したケースに限定されます。

また、金額面の基準として、1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費の総額が原則10万円を超えていることも必須条件です。

総所得金額が200万円未満の方は、総所得金額の5%を超えた金額から適用対象に含まれます。

医師の判断による「治療目的」であればED治療も控除対象

ED治療が医療費控除の対象となる重要なポイントは、医師による不妊治療目的の診療であると客観的に認められる点にあります。

患者自身の自己判断ではなく、医師が夫婦の不妊の原因がEDにあると明確に診断し、その治療のために処方した医薬品であれば控除の対象として認められます

単なる精力増強を目的としたサプリメントの購入費用が対象外となるのと同様に、不妊治療という明確な目的を持たない一般的なED治療薬の処方費用も控除の対象から外れます。

不妊治療という目的が明確な治療であることをしっかりと理解した上で、適切な医療機関を受診して処方を受けることが非常に大切です。

医療費控除の対象になるED治療費・薬代と対象外のケース

サプリメント

ED治療に関する支出の中で、医療費控除の対象として認められるものと認められないものには明確な違いが存在します。

不妊治療目的という前提を満たしていても、支払いの内容によっては控除が否認されるケースがあるため注意が必要です。

確定申告の際に誤って対象外の費用を計上してしまうと、税務署から修正申告を求められる原因になりかねません。

具体的にどのような費用が控除の対象として認められ、どのようなケースが対象外となるのかをわかりやすく分類して解説します。

控除対象になるもの

不妊治療の一環として医療機関を利用したED治療において控除対象となるのは、主に以下の通りです。

ED治療において控除対象となるもの
  • 不妊治療を目的とした医師の診察代および処方料
  • 病院で処方されたED治療薬の代金
  • 通院に利用した電車やバスの運賃

自家用車で通院した場合のガソリン代や駐車料金は対象外となるため注意してください。

領収書が出ない公共交通機関の運賃については、利用した日付と経路、金額をメモに残しておけば証明として有効に機能します。

控除対象外になるもの

不妊治療を目的としていても、医療機関を通さない自己判断による支出は、原則として医療費控除の対象から外れます。

特に注意すべきなのは、インターネットなどを通じて海外から個人輸入したED治療薬の購入代金です。

これらは医師の処方に基づいていないため、医療費として認められません。

控除の対象外となる代表的な費用は以下の通りです。

ED治療において控除対象にならないもの
  • インターネット等での個人輸入代行による薬代
  • 薬局や通販で購入した精力剤やサプリメント
  • 不妊治療を目的としない一般的なED治療費

安価に入手できる個人輸入薬は安全性の観点だけでなく、税制上の優遇も受けられないという大きなデメリットを持っています。

オンライン診療によるED治療も医療費控除の対象になる?

スマホを操作する男性医師

近年、通院の手間やプライバシーへの配慮から、スマートフォンなどを利用したEDのオンライン診療が急速に普及しています。

対面診療とは異なる受診形態であるため、医療費控除の対象になるのか不安に感じる方も少なくありません。

結論から言えば、不妊治療を目的とした正規の医療機関によるオンライン診療であれば、対面診療と全く同じように医療費控除の対象として認められます

オンライン特有の費用の扱いについて、具体的なポイントを確認していきましょう。

オンライン診療の診察料や処方薬もすべて控除対象

オンライン診療であっても、医師による適切な問診と診断を経て、不妊治療のために処方されたED治療薬であればその薬代は全額が医療費控除の対象に含まれます

通話やビデオ通話を利用して行われる診察にかかる診察料や、システム利用料として医療機関に支払う費用も同様に計上可能です。

オンライン診療を導入している多くのクリニックでは、決済完了後に電子領収書が発行されたり、薬に紙の領収書が同梱されたりします。

確定申告の際にはこれらの領収書データが必須となるため、届いたファイルは紛失しないように専用フォルダなどに保存しておくことが重要です。

オンライン特有の「お薬代」や「配送料」の扱いと注意点

オンライン診療を利用した際に発生する特有の費用として、処方されたED治療薬を自宅に届けるための配送料が挙げられます。

この配送料の扱いについては注意が必要であり、原則として医薬品の購入費用そのものではないため、医療費控除の対象外となります。

医療費控除の明細書を作成する際には、領収書に記載されている合計金額から配送料の分を差し引いて薬代や診察料のみを記入しなければなりません

配送料の扱いを比較表でまとめました。

費用の種類医療費控除の可否
オンライン診察料対象
処方されたED治療薬代対象
薬の自宅への配送料対象外

領収書の内訳をしっかりと確認し、正確な金額を申告してください。

実際にED治療費を確定申告して医療費控除を申請してみた

スマホを操作する男性

ED治療に関する医療費控除について、制度上のルールは理解できても実際に申告するとなるとプライバシー面での不安が残ります。

税務署の職員にED治療の事実がバレて恥ずかしい思いをするのではないかという懸念を持つ方も多いです。

そこで、筆者自身が過去1年分の不妊治療に伴うED治療費をまとめて確定申告し、医療費控除を申請する過程を独自に検証しました。

税務署への直接確認で判明した事実や、具体的な入力手順といった一次情報をお届けします。

税務署への直接確認で分かった「医薬品名」の記載ルールとプライバシー対策

申告にあたり、管轄の税務署へ直接足を運び、医療費の明細書に具体的な薬品名や不妊治療の経緯を記載する必要があるのかを確認しました。

担当職員の回答は、治療を受けた医療機関名と合計金額が正確であれば、薬品名まで詳細に記載する義務はないという明確なものでした。

つまり、医療費の明細書にある医療費の区分欄の医薬品購入にチェックを入れ、支払先欄にクリニックの名称を記載するだけで適法に処理されます。

誰がどのような目的でどの薬を飲んでいるかといった詳細な情報が、手続きの過程で不必要に露呈することはないという安心できる結果を得ることができました。

クラウド確定申告(e-Tax)の画面でED治療費を入力する具体例

自宅からパソコンを利用して申請手続きを完了させるため、国税庁のe-Taxシステムを利用して入力作業を行いました。

医療費控除の入力画面では医療費の明細書を作成する項目へ進み、領収書を見ながら1件ずつ入力を行います。

実際の入力手順は以下の通りです。

ED治療費を入力する手順
  • 医療を受けた方の氏名を選択する
  • 病院や薬局などの支払先の名称を入力する
  • 医療費の区分の医薬品購入にチェックを入れる
  • 支払った医療費の額へ領収書の金額を入力する

病院名が一般的な名称のクリニックや内科であれば、書類上から不妊治療に伴うED治療であることは判断されません。

e-Taxを利用すれば対面による対応を避けることが可能です。

ED治療で医療費控除を受けるための確定申告の具体的な手順

確定申告

医療費控除による節税メリットを享受するためには、会社員であっても年末調整ではなく、自分自身で確定申告を行う必要があります。

確定申告の期間は、原則として医療費を支払った翌年の2月16日から3月15日までと定められています。

手続き自体は決して複雑なものではなく、必要な書類さえ揃っていればスマートフォンやパソコンからスムーズに完了させられます。

具体的な書類の作成方法や、事前に準備しておくべきものについて順を追って解説します。

医療費控除の明細書の作成方法

確定申告書を作成する前段階として、1年間にかかった医療費の全額を医療費控除の明細書にまとめる作業が必要です。

この明細書には、医療を受けた人ごとに、支払先の病院や薬局の名称、支払った金額を集計して記入します。

不妊治療にかかったその他の費用も忘れずに合算するようにしてください。

国税庁のホームページからエクセル形式の集計表をダウンロードし、日頃からエクセルに領収書の金額を入力しておくと計算の手間を大幅に省くことが可能です。

作成したデータはe-Taxの申告画面で直接読み込ませることで、手入力によるミスを防げます。

申請時に手元に用意すべき書類と領収書の保管義務

確定申告をスムーズに進めるためには、事前の書類準備が不可欠です。

申請の際に手元に用意しておくべき主な書類は以下の通りです。

申請の際に手元に用意しておくべき主な書類
  • 1年間分の医療費の領収書やレシート
  • 会社から発行された源泉徴収票
  • マイナンバーカードなどの本人確認書類
  • 還付金を受け取るための銀行口座情報

平成29年分の確定申告から、医療費の領収書そのものを税務署へ提出または提示する義務はなくなりました。

しかし、提出が不要になった代わりに、明細書の記入内容を確認できるよう、自宅等で5年間領収書を保管しておく義務が課せられています

申告後も捨てずに大切に保管してください。

まとめ

ED治療の費用は、医師の診察に基づき「不妊治療の一環」として処方された薬代であれば、医療費控除の対象になります。

年間10万円という基準額を超えた場合、確定申告により税金の一部が還付され、経済的な負担を軽減できます。

不妊治療を目的としない一般的なED治療や、海外からの個人輸入など自己判断による購入は対象外となるため注意してください。

適切な医療機関を受診し、領収書をしっかりと保管して、賢く医療費控除の制度を活用しましょう。

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