真性包茎とは?リスク・デメリット・手術の必要性・治療の流れなどを解説

男性の多くが気になる包茎、その中でも「真性包茎」と呼ばれる状態は特に注意が必要です。

真性包茎は、日常生活や性生活において様々なデメリットをもたらします。

そのため、早めに包茎治療を受けることが必要です。

しかし、手術を受けることに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、真性包茎について徹底解説していきます。

仮性包茎やカントン包茎との明確な違い、真性包茎が引き起こすリスクなどをはじめ、真性包茎について気になる内容を多く説明しています。

真性包茎で悩んでいる男性は、ぜひ参考にしてください。

この記事で分かること
  • 真性包茎とは?
  • 真性包茎の手術の必要性
  • 真性包茎のデメリット
  • 真性包茎の治療の流れ
  • 真性包茎の手術後の注意点
  • 真性包茎によくある質問(Q&A)

真性包茎とは?

真性包茎

真性包茎とは、陰茎の包皮が強く狭まり、勃起しても亀頭が完全に露出できない状態を指します。

包皮を手で無理に引っ張ると少しだけ亀頭が見える場合もありますが、通常、全体の露出は不可能です。

この状態には主に癒着型強度絞扼型があります。

項目癒着型強度絞扼型
定義包皮と亀頭が癒着しており、自然に剥がれない状態包皮の先端が狭く、亀頭の通過が物理的に困難な状態
原因主に先天的な包皮・亀頭の生理的癒着包皮輪の発育不全、皮膚の繊維化など
症状排尿や勃起時に問題がないことも多いが、剥けない排尿困難、痛み、炎症、感染リスクが高い
見た目包皮が閉じており、引っ張っても剥けないが、腫れや圧迫感は少ない包皮輪が極端に狭く、引っ張ると締め付けられて亀頭が変形することも
進行性成長とともに自然に剥がれることもある(特に小児期)自然治癒はほとんどなく、進行すれば狭窄が悪化することも
主なリスク恥垢の蓄積、軽度の炎症、清潔保持の困難尿路感染、亀頭包皮炎、排尿障害、嵌頓包茎への移行リスク

真性包茎は仮性包茎やカントン包茎よりも感染や炎症などの病気リスクが高く、垢や細菌が溜まって清潔を保ちづらいため、恥や痛みによる生活障害も生じやすくなります。

泌尿器科や専門のクリニックで診察を受け、手術や軟膏による治療など状況に応じた医療的対応が必要となるケースが多いです。

仮性包茎と違い自然治癒の可能性はごく低く、完全な露出を希望する場合は手術を検討することが推奨されます

状態を放置しておくと排尿障害や性行為時の障害に発展するリスクもあるため、診断や説明を受けて適切な治療を検討することが大切です。

仮性包茎との違い

真性包茎と仮性包茎

真性包茎と仮性包茎の違いは、主に以下の通りです。

項目真性包茎仮性包茎
定義包皮を自力または他力でまったく剥くことができない状態通常は包皮が被っているが、勃起時または手で簡単に剥くことができる状態
包皮の状態包皮輪が狭く、亀頭が完全に露出できない包皮に弾力があり、亀頭は露出可能
年齢による自然改善小児では生理的なこともあるが、思春期以降も改善しない場合が多い多くは成長とともに自然に改善することが多い
衛生管理清潔を保ちにくく、恥垢が溜まりやすい剥いて洗えるため、清潔を保ちやすい(ただし不十分なケアでトラブルも)
合併症リスク亀頭包皮炎、尿路感染、嵌頓包茎、排尿障害などのリスクが高い合併症は少ないが、衛生状態によっては炎症や臭いの原因に
治療の必要性医療的に治療が必要とされることが多い(特に成人)多くは治療不要だが、本人の希望や衛生上の問題があれば治療対象となることも
主な治療法軟膏治療または手術(包茎手術)手術は任意。必要性は低く、美容目的での治療が多い
見た目の特徴亀頭がまったく見えない。無理に剥くと痛みや出血がある通常時は被っているが、容易に剥いて亀頭を露出できる

真性包茎と仮性包茎は、亀頭が露出できるかどうかで判断します。

仮性包茎では通常時や勃起時に包皮が亀頭を覆っていても、手を使えば全体を露出させることが可能です。

体調や季節的な影響、余分な包皮の量によって普段は包茎に感じなくても、診察を受けて初めて包茎だと分かることがあります。

また、日本人男性のおよそ7割が仮性包茎といわれ、特殊な状態ではありません。

真性包茎は勃起時にも亀頭が全く露出できませんが、仮性包茎は手動で露出可能なため、重大な機能障害にはなりにくい傾向です。

仮性包茎の詳細や治療希望の場合は、専門医に相談して個別の状態を確認するのが確実です。

カントン包茎との違い

真性包茎とカントン包茎

真性包茎とカントン包茎の違いは、主に以下の通りです。

項目真性包茎カントン包茎
定義包皮をまったく剥くことができない状態無理に剥いた包皮が元に戻らず、亀頭の根元を締め付けている状態
包皮の状態狭くて亀頭が露出できない剥けるが狭いため、剥いた後に包皮が戻らなくなる
発生タイミング常時(剥けない状態が続く)包皮を無理に剥いた際など、急に発生する
主な症状排尿困難、炎症、恥垢の蓄積強い痛み、腫れ、血流障害(放置すると壊死のリスク)
緊急性基本的には慢性的で経過観察も可能緊急性が高い。早急に処置しないと亀頭壊死の恐れあり
見た目の特徴亀頭が見えず、包皮が閉じている亀頭の根元に包皮が食い込み、腫れやうっ血が見られる
治療法軟膏治療または包茎手術まず緊急処置(包皮を元に戻す)。再発予防のために手術が勧められることが多い
リスク炎症、感染、不衛生血流障害、亀頭壊死、感染症、激しい痛み

カントン包茎は、真性包茎と仮性包茎の中間的な状態と言える包茎です。

勃起していない通常時、包皮を手で剥くことはできますが、包皮の先端が硬く狭いため勃起時には亀頭をスムーズに露出できません。

また、剥いた状態で勃起が起きると、包皮の輪が亀頭の部分に食い込んで陰茎を締め付け、強い痛みや亀頭への血流障害を発生させるリスクも高まります。

このことから、緊急の外科処置や手術を要する場面もあります。

カントン包茎の治療には、速やかな泌尿器科の受診が必要です。

真性包茎の危険性

真性包茎は成長過程の小児に見られることもありますが、思春期を超えても亀頭の露出が不可能なケースは病的と考えられます。

亀頭包皮炎や排尿障害が主な症状で、残尿感や痛み、排尿困難といった日常的なトラブルを引き起こしやすいです。

進行すると包皮が膨らんだり(バルーニング)、尿道や腎臓にまで問題が波及しやすい状態となります。

非手術療法としては用手的な拡張法やステロイド軟膏が用いられますが、それでも効果が薄い場合や、強い障害がある場合は余分な包皮を外科的切開で除去する治療(環状切除術)が基本です。

衛生面の問題も解消されるため、早めの診療が勧められています。

真性包茎は手術が必要?

手術をする

真性包茎の場合、症状や状況によっては手術が必要になることがあります。

包皮が極端に狭く、亀頭が全く露出できない場合は、手術による包皮の切開・切除が基本的な治療法となります。

ただし、持病がある方や服用中の薬によっては手術を受けられないこともあるため、予約時に医師やクリニックに詳細を確認することが大切です。

包茎が生活や健康に支障を与えている場合、そのまま放置せず、専門医の診療を受けて自分に合った治療方法を選ぶことが重要です。

真性包茎は自分で治せる?

真性包茎は自分で完全に治療することは困難です。

包皮が自力で剥けない場合、亀頭部分の清潔を保つのは難しくなり、包皮炎や陰茎がん、性感染症の発症リスクが高まります。

無理に包皮を剥がそうとすると出血や痛み、さらなる癒着を招く恐れがあるため、個人で治療するのはおすすめ出来ません

衛生的な問題や症状がある場合は、泌尿器科など医療機関で診療を受けて、適切な治療方法の説明や必要に応じた手術の案内を受けるのが確実です。

真性包茎のデメリット

バッドポーズをする男性

真性包茎には様々なデメリットが存在します。

ここでは、真性包茎のデメリットについて詳しく見ていきます。

真性包茎のデメリット
  • セックスに支障が出る
  • 汚れがたまって悪臭が漂う
  • 病気のリスクが高まる
  • 見た目が気になる
  • 排尿しづらい

セックスに支障が出る

真性包茎は、包皮が亀頭を完全に覆っている上に、無理に露出させようとすると強い痛みを伴います。

そのため、

  • 刺激を受けにくい
  • 勃起時に痛む
  • 包皮が動いた時に違和感が出る

など、勃起や性行為のたびに問題が発生しやすいです。

また、コンドームが外れやすくなったり、陰茎から悪臭が生じたりすることで性行為自体が難しくなる場合もあります。

ストレスや身体的な違和感が続くため、早期の改善や治療を検討する方が多く見られます。

汚れがたまって悪臭が漂う

真性包茎の場合、包皮が常に亀頭を覆っているため内部に垢や水分がたまりやすいです。

この状態が続くと細菌が増殖し、悪臭が発生します。

清潔にしづらくなることで包皮炎亀頭炎などの感染症のリスクも高まります。

普段の入浴やシャワーでも完全に清掃できないことから、不衛生な環境が慢性化しがちです。

そのため、臭いを気にせず日常生活を送りたい方は包茎治療を検討することが推奨されます。

病気のリスクが高まる

真性包茎では、包皮と亀頭の間に細菌が大量に繁殖しやすくなり、様々な疾患が発生するリスクが高まります

真性包茎がなりやすい病気
  • 亀頭包皮炎
  • 尿路感染症
  • 性器クラミジア
  • 尖圭コンジローマ
  • 包皮がん
  • 陰茎がん

例えば、亀頭包皮炎は包皮と亀頭が炎症し、慢性的な痛みやかゆみを引き起こします。

また、性器クラミジア感染症や尖圭コンジローマといった性感染症、さらには尿路感染症にもかかりやすくいです。

症状が重い場合には入院治療が必要となるケースもあるため、真性包茎を疑う場合は早めに泌尿器科などで受診することが重要です。

見た目が気になる

真性包茎は、包皮が亀頭を覆い隠しているため成長とともに陰茎の先端が細くなるケースも多く見られます。

見た目の特徴が「幼児のおちんちん」と指摘されることもあります。

そのため、温泉や大浴場、スポーツジムなどで他人に見られたくない気持ちからタオルで隠す人も少なくありません。

成人男性としての自信や自己イメージにも影響し、入院や介護時などでも不衛生な見た目を気にする方が多いです。

改善を考える際は治療が役立つこともあります。

排尿しづらい

重度の真性包茎では、包皮の開口部が極端に狭くなることで排尿障害が起きます。

例えば、

  • 力まないと十分に尿が出ない
  • 排尿時に尿がまっすぐ飛ばない
  • 包皮の中に尿がたまって膨れる

などがあります。

これらの排尿障害が続くと、膀胱拡張や肉柱形成、水腎症といった腎臓への悪影響が発生し、放置すると腎不全へ進行するおそれもあります。

そのため、早めの診断・治療が不可欠です。

包茎治療の流れ

腕を組んでいる医者

真性包茎には、様々なデメリットがあり、包茎治療を受けることが推奨されています。

しかし、包茎治療とはどのような治療なのか知らなければ、治療を受けようと思うことは出来ません。

ここでは、包茎治療の流れを詳しく紹介していきます。

包茎治療の流れ
  1. 予約
  2. 診察・カウンセリング
  3. 会計
  4. 手術
  5. 帰宅
  6. アフターケア

1.予約

包茎治療を希望する場合、まずは予約を入れる必要があります。

初診・再診の電話番号や診察案内などが公式サイトや病院で案内されています。

主にネットで予約することが多く、完全予約制を採用しているクリニックが多いです。

そのため、通院時に他の患者と出会うことはありません。

2.診察・カウンセリング

来院後は、泌尿器専門医によって陰茎や包皮の状態確認が行われます。

症状の進行度や真性かどうかの診断に加え、手術や保存的治療の方法、リスクや治療にかかる料金についても説明が行われます。

不明点や個人的な悩み、術後のケアの方法まで丁寧なカウンセリングが受けられ、診察やカウンセリング自体は多くの病院で無料です。

3.会計

診察やカウンセリングの後、治療の説明に納得がいった場合は、会計が必要になります

保険適用の場合の料金や、自費診療の場合の費用については病院によって異なります。

患者の負担額、診療報酬点数、処方や薬代、術後の投薬費用なども個別に説明がなされ安心です。

また、現金やクレジットカード、分割払いなど支払い方法も指定できます。

4.手術

治療が決定すると手術が行われます。

手術の所要時間は30~60分程度です。

局所麻酔や複数の麻酔を組み合わせるため、術中に痛みを感じることはありません。

万一痛みが出たときのために痛み止めを処方し、術後ケアの案内も行います。

来院から約1時間30分程度で自宅へ帰宅できるのも特徴です。

5.帰宅

術後は病院の案内や治療後の注意事項を受けた後、すぐに自宅へ帰宅できます。

日帰りの手術が多く、特殊な経過がなければ入院不要です。

帰宅後も日常生活は可能ですが、包茎手術後の入浴や運動等の制限、清潔管理など医師の指示に従うことが大切です。

6.アフターケア

切除手術後は、アフターケア(無料再診制度)が利用でき、気になる点があれば電話相談や再診が可能です。

緊急時のために相談窓口も設置されていて、自宅で異常や問題が生じた場合も安心してサポートを受けられます。

日帰り治療が基本ですが、不安な点があればすぐに医師に相談し経過観察を続けるようにしましょう。

真性包茎手術後の注意事項

注意

真性包茎の治療後は、日常生活を送るにあたっていくつかの注意点があります。

項目術後すぐ(〜3日程度)術後1週間前後術後2〜4週間術後1ヶ月以降
シャワー・入浴シャワーのみ(患部は濡らさない)入浴は禁止傷の状態に応じて、軽く洗えるように医師の許可があれば湯船も可入浴OK(擦らないよう注意)通常の入浴で問題なし
排尿少量の出血やしみる感覚があることも正常化してくるが、排尿後に清潔を保つこと通常通りで問題ない完全回復
性行為・マスターベーション厳禁厳禁(出血・傷の開きリスク)基本的に禁止(医師の許可があれば可)約4〜6週間以降から再開可能
運動・スポーツ安静が望ましい軽い運動なら可能(摩擦や圧迫NG)徐々に再開可(痛みがない範囲で)制限なし
仕事・学校デスクワークは翌日〜2日後に可力仕事や長時間移動は休んだほうがよい多くは通常復帰できる問題なし問題なし
飲酒・喫煙禁止(血行が良くなり出血のリスク)控えめに(医師の判断を仰ぐ)状況によるが基本的に再開可通常通りでOK
包帯・ガーゼ交換1日1〜2回、清潔な状態を維持傷口を確認しながら丁寧に医師の指示があれば徐々に不要に完全に不要
勃起時の痛みよくある症状。朝勃ち等で痛む場合あり徐々に軽減してくるほとんどなくなる通常通り

上記の注意点は、治療内容によって異なる場合があります。

治療後に医師が詳しく注意点について説明してくれるので、医師の説明を重視してください。

真性包茎によくある質問(Q&A)

Q&A

真性包茎についてよくある質問(Q&A)を紹介していきます。

治療を受けるか迷っている方や、包茎治療が気になっている方は、ぜひ参考にしてください。

手術は痛いですか?
真性包茎手術では、局所麻酔を使用するため手術中に痛みを感じることはありません。麻酔の効果が確実にあることを医師が確認しながら進められるため、安心して手術を受けていただけます。術後は徐々に麻酔が切れて痛みを感じる場合がありますが、多くの場合は処方される痛み止めの服用で数日で収まります。痛みに不安がある方でも、医師がしっかり対応してくれるので心配いりません。
手術したことはバレますか?
包茎手術を行うと、どのような場合でも多少の手術痕が残ります。しかし、美容形成に精通した医師による施術であれば、できるだけ自然な仕上がりを目指し手術痕が目立たないように配慮してもらえます。個人差はあるものの、普段の生活の中で手術経験を知られることは少なく、自信を持って生活していただけます。
手術にかかる時間はどれくらいですか?
真性包茎の手術時間は、局所麻酔の導入から切除まで含めて30分から60分程度です。麻酔をしっかり効かせながら進められるため手術中に痛みはありません。個人差も多少ありますが、術後の痛みも痛み止めの処方で数日中にはほとんど気にならなくなります。ほとんどの場合、日帰りで帰宅可能です。
保険は適応されますか?
真性包茎の症状が医学的に認められる場合、健康保険が適用となります。大きな病院や総合病院では、入院や全身麻酔を必要とするケースもあります。保険診療による包茎手術では、診療報酬点数に基づく計算になり、自己負担額は総額の3割となっています。一方で保険適用手術は「病気の改善」が目的なので、術後の仕上がりは医療的視点が重視され、見た目が気になる場合は美容クリニックなども検討する必要があります。
セックスはいつから出来ますか?
真性包茎手術後、性行為は傷口の回復を優先する必要があるためおよそ3週間程度は控えてください。傷の治り具合や個人差もありますが、医師による診察で性行為再開の目安が示されます。無理に早い段階で性行為を行うと痛みや出血、感染などのトラブルにつながるため、必ず医師の指示に従いましょう。

まとめ

真性包茎は、男性にとって非常に多くのデメリットをもたらす症状です。

日常生活や性生活において、障壁となる場面はたくさんあります。

そのため、真性包茎は治療が推奨されています

真性包茎を治療することで、男性としての自信がつき、日常生活でも快適に過ごすことが可能です。

30分~60分程度あれば治療は終わるので、包茎治療は日帰りで受けられます。

忙しくて時間が取れない方でも気軽に受けることが出来るので、ぜひ一度専門クリニックや泌尿器科などに相談してみてはいかがでしょうか。

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