
心臓病と勃起不全(ED)に悩む方は多く、実はこの2つの疾患は深い関わりがあります。
勃起不全(ED)の症状は心臓の健康状態を示すサインになることもあるため、無視できません。
この記事では、心臓病とEDの関連性や共通する原因、さらに心臓病患者でも使えるED治療薬や注意点について詳しく解説します。
専門的な治療法や併用注意の薬剤も包括的に取り上げるので、心臓病とED、双方に不安のある方が安心して対策を考える際に役立ちます。
- 心臓病とED(勃起不全)の関係
- 心臓病でも飲めるED治療薬
- 心臓病患者がED治療薬を飲む際の注意点
- ED治療薬との併用が禁止されている薬剤
- ED治療薬との併用に注意すべき薬剤
- 心臓病患者のEDの治療法
目次
心臓病とED(勃起不全)の関係

心臓病と勃起不全(ED)には深い関係があります。
勃起不全(ED)は血流障害など循環器系の異常が原因で起こる場合が多く、心臓病も同様に血管や血流に関わる疾患です。
そのため、勃起不全(ED)を発症している人は心臓病のリスクを抱えていることが少なくありません。
実際に、心血管系の問題があると、十分な血液が陰茎に届かず勃起が困難になります。
さらに動脈硬化や高血圧など、両者に共通するリスクファクターが影響しあうこともあるのです。
医師による調査でも、勃起不全(ED)の自覚が健康状態のシグナルとなりうるとされています。
心臓と性機能は体内で密接にリンクしているため、勃起不全(ED)を単なる加齢や一時的な問題と捉えず、必要に応じ心臓病のリスク評価や検査を受けることが大切です。
EDは心臓病のサインとなる
勃起不全(ED)が現れることは、心臓病の初期症状である場合があります。
血管内皮の機能が低下し、末梢血管から先に動脈硬化が始まることで、陰茎への血流が減りEDが起こります。
心臓へつながる太い血管よりも陰茎の血管は細いため、より早く症状が現れるのです。
勃起不全(ED)がある男性は、そうでない人に比べて将来的に心疾患を発症するリスクが高いというデータも報告されています。
実際に発症の数年前からEDの症状が認められたケースもあります。
こうしたことは、専門医も重要な生活習慣病のサインと位置付けていますので、EDに気づいた時点で循環器内科などで原因について調べましょう。
早期発見は健康管理にもつながります。
EDと心臓病の共通した原因
EDと心臓病は、その発症メカニズムや原因が重なっています。
- 動脈硬化(血管が硬く・狭くなる)
- 高血圧
- 糖尿病
- 脂質異常症(高コレステロール)
- 喫煙習慣
- 肥満・メタボリックシンドローム
- 運動不足
- 過度な飲酒
- 慢性的なストレス
- 加齢
どちらも主な原因のひとつが動脈硬化で、血管の内側にコレステロールなどがたまって血流が滞ることが、発症に大きく関与しています。
糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満、喫煙、ストレスといった生活習慣病や生活習慣もリスク要因です。
運動不足や、バランスの悪い食生活も両者を悪化させる要素となります。
加齢も要因ですが、最近は若年層にも増えており注意が必要です。
健康診断で指摘されることが多いため、定期的な受診が早期発見に役立ちます。
これらの共通原因の管理は、EDと心臓病どちらも予防や治療に有効です。
心臓病でも飲めるED治療薬

心臓病患者でも飲めるED治療薬は存在します。
ただし、どんな薬でも安全というわけではないため、適切な種類と用量を選び、医師による指導を受けることが重要です。
現状では状態を見ながらバイアグラやシアリス、レビトラなどが用いられることがありますが、それぞれ注意点や併用禁忌薬があります。
個々の体調や医師の判断を尊重することが勧められます。
- バイアグラ(シルデナフィル)
- シアリス(タダラフィル)
- レビトラ(バルデナフィル)
バイアグラ(シルデナフィル)
バイアグラ(有効成分:シルデナフィル)は、心臓病患者が使用できる場合もあるED治療薬です。
その主な作用はPDE5を阻害することで血管を拡張し、陰茎海綿体への血流を一時的に増加させることです。
ただし、硝酸薬や心血管系疾患の一部治療薬とは絶対に併用できません。
また、狭心症や心筋梗塞の発作中や直後の使用は避ける必要があります。
海外や日本の臨床現場でも、心機能が安定している患者に関しては、バイアグラを使用できるケースが報告されていますが、自己判断は禁物です。
医師の診察と処方のもとであれば、安全に活用できる選択肢と言えます。
シアリス(タダラフィル)
シアリス(有効成分:タダラフィル)は、持続時間の長さが特徴的なED治療薬で、心臓病患者にも条件付きで処方されることがあります。
効果の持続時間が他のED薬よりも長く、血管拡張作用が緩やかな点が評価されています。
シアリスは冠動脈疾患の安定期にある人や、適切な心機能管理がされている場合、医師の管理下で使用されることが多い薬です。
ただし、硝酸剤や他の心疾患の治療薬との併用は厳禁であり、過去に重篤な心臓発作を経験した場合は使用を避ける必要があります。
事前の検査や問診を徹底することが安全使用の鍵となります。
レビトラ(バルデナフィル)
レビトラ(有効成分:バルデナフィル)は、ED治療薬のひとつで、即効性の高さがメリットです。
レビトラは心臓病患者にも医師の判断によって処方される場合がありますが、心血管系への影響や薬物の相互作用が問題になることがあります。
レビトラは特定の抗不整脈薬や硝酸薬と併用できないため、併用薬の確認が不可欠です。
作用時間はバイアグラよりやや長く、発症約15分で効果を感じやすいとも言われています。
安全に使用するには、心臓の状態を把握した専門医の診察が必須であり、自己判断で服用すると重大なリスクを生む可能性があるため注意が必要です。
心臓病患者がED治療薬を飲む際の注意点

心臓病患者がED治療薬を飲む場合、特別な注意が必要です。
主治医との相談なく安易に服用することは大きなリスクを伴うため、医師の管理下でのみ使用してください。
また、併用禁忌薬や併用注意薬が多数ありますので、処方された薬の内容を必ず申告し、健康状態を把握してもらうことが重要です。
- 硝酸薬を使用中の人は絶対に併用しない
- 狭心症・心筋梗塞の既往がある場合は必ず主治医に相談する
- 重度の心不全や不整脈がある場合は必ず主治医に相談する
- 血圧が極端に低い・高い人は事前に血圧管理を行う
- 胸痛・動悸・強いめまいが出た場合は医療機関を受診する
- セックスが心臓に負担がかかる
硝酸薬を使用中の人は絶対に併用しない
硝酸薬を服用している方は、ED治療薬と絶対に併用してはいけません。
両者に共通する血管拡張作用が重なることで急激な血圧低下を招く危険が非常に高く、ショックや意識障害を起こすこともあります。
事例としては、硝酸薬を使いながらED薬を服用し、重篤な低血圧や心停止に至った例も報告されています。
ED治療薬を希望する場合は、持病や服用中の薬を全て主治医へ伝え、専門の医療従事者と相談することが安心・安全な治療のために必須です。
狭心症・心筋梗塞の既往がある場合は必ず主治医に相談する
過去に狭心症や心筋梗塞を経験している場合、ED治療薬を使用する前に必ず主治医への相談を行いましょう。
ED薬には血圧を下げる作用や血管へのストレスがあるため、心疾患既往の方は特に慎重な判断が求められます。
診療現場でも、心臓発作のリスクが残る状況や経過観察中の場合、ED薬の処方が認められないこともあります。
具体的には、心疾患発症から短期間での使用や、症状が安定していない時期は控えた方が安全です。
専門医の指示を仰ぐことで、適切なタイミングや代替治療が選べます。
重度の心不全や不整脈がある場合は必ず主治医に相談する
重度の心不全やコントロール困難な不整脈を持つ方は、ED治療薬の使用に細心の注意が必要です。
心臓が十分に血液を送り出せない状態や、頻繁に不規則な脈が出る場合にED薬がもたらす血圧変動や心機能への影響は大きな負担をかけます。
実例でも、専門医が状態を確認した上で処方可否の判断をしていますので、絶対に独断で使用しないでください。
症状が安定し、コントロールされている場合のみ、医師の許可のもと限定的に使用されるケースもあります。
体調変化はすぐに医師へ相談が必要です。
血圧が極端に低い・高い人は事前に血圧管理を行う
著しい高血圧や低血圧を抱える方がED治療薬を使うには、事前の血圧コントロールが不可欠です。
血圧が安定せず高い場合、薬の作用で急激に下がることで体調不良や意識消失を招く恐れがあります。
逆に低血圧の方が服用すると、さらに血圧が低下し、危険な状態になることも。
医療機関で血圧測定をこまめに行い、安定した値になってから治療を開始するのが安全です。
また、普段から家庭でも血圧をチェックする習慣が望まれます。
血圧管理を徹底することで、事故や副作用のリスクを下げることが可能です。
胸痛・動悸・強いめまいが出た場合は医療機関を受診する
ED治療薬を服用して胸痛や動悸、強いめまいなどの症状が表れた場合、速やかに医療機関を受診してください。
これらの症状は薬剤の副作用だけでなく、心臓や脳の血管系トラブルの前兆である可能性も考えられます。
特に心臓病の既往歴がある方は、発症時の重症化リスクが高いです。
服薬後すぐでなくても、時間が経過して現れる場合もあるため油断できません。
少しでも異変を感じたら我慢せず、早めの受診が万一の事態を防ぐ最大の対策です。
セックスが心臓に負担がかかる
性行為は身体活動の一種で、ある程度心臓に負荷をかけることになります。
心臓病を抱える方は、性行為の前後で心拍数や血圧が大きく変化するため注意が必要です。
特に重度の心疾患や、症状が安定していない場合は、ED治療薬を服用したからと言って無理に性行為を行うと心不全や不整脈が誘発される場合があります。
医師は日常の運動量や心臓の状態を踏まえて、性行為を再開できるタイミングや注意点を指導しています。
普段から動悸や息切れが強い場合は控えるなど、無理をせず心身のサインに耳を傾けることが重要です。
ED治療薬との併用が禁止されている薬剤

心臓病患者がED治療薬を使用する際、併用が禁止されている薬剤があります。
これらを同時に使用すると重篤な副作用や生命に関わる合併症を起こすことがあり、医師の判断と確認が必須となっています。
ここでは、ED治療薬との併用が禁止されている薬剤について具体的に見ていきましょう。
- 硝酸剤・一酸化窒素供与剤
- アミオダロン塩酸塩を含む薬剤
- クラスⅠA抗不整脈薬
- クラスⅢ抗不整脈薬
硝酸剤・一酸化窒素供与剤
硝酸剤や一酸化窒素供与剤は、心臓病の治療で頻繁に用いられる薬剤ですが、ED治療薬との併用は絶対に避けるべきです。
両者に血管を拡張させる作用があり、併用することで重度の低血圧や意識障害などの危険が高まります。
実際、不適切な併用による死亡例が国内外で報告されています。
患者によっては心筋梗塞や狭心症の持病でこれらの薬を日常的に使っています。
必ずすべての服用中薬を医師へ伝えておき、ED治療薬の処方を受ける際には細心の注意が必要となります。
アミオダロン塩酸塩を含む薬剤
アミオダロン塩酸塩を含む薬剤は、バイアグラと併用が禁忌となっています。
アミオダロンは不整脈治療のために使用される薬ですが、QT延長など心電図上の異常を引き起こす可能性があり、バイアグラと組み合わせることで心臓に重篤な合併症が生じることがあるからです。
実際に併用した場合、不整脈が悪化したり、命に関わる副作用のリスクが大きいと言われています。
不整脈でアミオダロンを処方されている場合は、必ず医師の指示に従い、ED治療薬と絶対に同時に使わないよう心がけましょう。
クラスⅠA抗不整脈薬
クラスⅠA抗不整脈薬はレビトラジェネリックとの併用が禁忌とされています。
これらの薬は心臓の電気信号に作用してリズムを整える薬ですが、レビトラと組み合わせるとQT延長など重篤な心電図異常を引き起こす危険性が高まります。
報告例では、組み合わせにより致死的不整脈が出現したことも。
抗不整脈薬を服用中の人は、必ず治療の経過や服薬歴を主治医に伝えたうえで、ED薬の処方を検討してください。
クラスⅢ抗不整脈薬
クラスⅢ抗不整脈薬はレビトラジェネリックとの併用が禁忌です。
これらは心臓のリズムや興奮伝導に大きく影響を与える薬であり、レビトラとの併用ではQT延長、トルサード・ド・ポワンヌ型不整脈などの重篤な副作用のリスクが大幅に増加します。
日本国内外のガイドラインでも組み合わせ禁忌となっています。
現在これらの薬を服用している方は、ED治療を希望する際、必ず主治医と相談しリスクと代替案を明確にしてから治療に臨むようにしてください。
ED治療薬との併用に注意すべき薬剤

ED治療薬には禁忌とまではいかないものの、併用時に心機能や血圧に悪影響を及ぼす恐れのある薬剤もあります。
例えば、カルペリチドや降圧剤、他のPDE5阻害薬などです。
これらとの併用には医師による厳格な管理が求められます。
- カルペリチドを含む薬剤
- 降圧剤
- PDE5阻害薬
カルペリチドを含む薬剤
カルペリチドを含む薬は、心不全治療などで投与されます。
ED治療薬と組み合わせると、どちらも血管拡張作用を持つため、血圧低下や体調悪化を招くリスクがあります。
特に体力が低下している場合や、心機能がふぞくな患者にとっては、予期しない副作用を招く恐れがあるため慎重な判断が必要です。
カルペリチド治療中の方は、薬の作用や体調管理について主治医と十分話し合い、ED治療における危険性や代替治療についても確認しましょう。
降圧剤
降圧剤はバイアグラ・シアリスとの併用注意が必要な代表的な薬剤です。
降圧剤にも多くの種類があり、血管拡張作用を強めるED薬と同時に使うと、予想以上の血圧低下が起こることがあります。
軽度であればふらつきや立ちくらみですが、重症化すると失神や血圧ショックに至る恐れもあります。
日常的に降圧剤を飲んでいる方は、服薬時間や体調、血圧値の変化を主治医にしっかり伝え、組み合わせの方法や用量調節について的確なアドバイスを受けてください。
PDE5阻害薬
PDE5阻害薬はED治療薬同士で併用注意すべき薬剤です。
複数のED薬を誤って一度に服用すると、血管拡張作用や副作用が増強し、血圧低下、頭痛、動悸など予期せぬリスクが高まります。
ほかのPDE5阻害薬とは間隔を開けて利用する必要があり、絶対に自己判断での重複投与はしないでください。
ED治療の経過中で他薬へ変更する際は、専門医の指導を必ず受けましょう。
心臓病患者のEDの治療法

心臓病を抱える場合のED治療は、薬物療法以外の選択肢も重要となります。
陰圧式勃起補助具や陰茎海綿体注射、外科的な手術などが選択肢として挙げられ、それぞれ心臓への負担を最小限に抑えた方法が検討されます。
ここでは、心臓病患者のED治療法について詳しく見ていきましょう。
- 陰圧式勃起補助具
- 陰茎海綿体注射(ICI治療)
- 陰茎プロステーシス移植手術
陰圧式勃起補助具
陰圧式勃起補助具は、薬を使わず物理的な方法で勃起を補助する医療機器です。
具体的には、筒状の器具を陰茎に当て、ポンプで陰圧(吸引)を発生させることで血液を海綿体に流入させます。
勃起が維持された後は、根元にゴムバンドを装着し血液を留める仕組みです。
血管や心臓へ直接的な負担をかけずにED改善が期待できるため、心疾患を持つ患者にも適した選択肢となります。
使い方によっては不快感や皮膚トラブルが起こることもあるので、医師の指導のもとで利用することが望ましいです。
陰茎海綿体注射(ICI治療)
陰茎海綿体注射(ICI治療)は、薬剤を陰茎の海綿体へ直接注射することで勃起を促す方法です。
血管拡張作用を持つ成分を局所的に作用させるため、全身の循環系への影響が比較的小さいことが特徴です。
特に他の治療法で効果が得られなかった場合や内服薬が使えない場合に効果があります。
ただし、感染や出血などのリスクもあるため、必ず専門医の管理下で行われます。
注射後は状態観察が必要ですが、高齢者や重度心臓病患者にも検討できる選択肢です。
陰茎プロステーシス移植手術
陰茎プロステーシス移植手術は、最も根本的なED治療法のひとつです。
シリコン製などの人工器具を陰茎内部に埋め込むことで、物理的に勃起状態を作り出します。
薬剤の副作用リスクがない点が利点で、持続的な結果を求める患者に適しています。
一方で、外科手術になるため出血や感染、器具の不具合といったリスクもあります。
特に心疾患の既往がある場合、手術前に十分な評価と循環器医との連携が不可欠です。
術後の生活指導も含めて、包括的な治療が行われます。
まとめ
心臓病と勃起不全(ED)は深い関係性があり、血管や循環器の障害が共通する背景として存在します。
勃起不全(ED)の症状がある場合、心臓病のリスクも意識しておく必要があり、早期受診や検査が大切です。
心臓病患者であっても、医師の適切な診断と管理のもとで安全にED治療薬を使える可能性がありますが、処方薬や体調によっては使用が制限される場合も多いです。
禁忌薬や注意薬が多く存在するため、必ず主治医に相談しましょう。
薬以外にも補助具や注射、手術など個々の状況に応じた治療法が選択できます。
ご自身の健康状態や治療方針について不安がある場合には、専門の医師へ早めに相談してみてください。








