高血圧とED(勃起不全)の関係とは?注意点・治療法などを解説

高血圧と勃起不全(ED)は中高年男性の悩みの一つです。

最近、健康診断で血圧が気になり始めた方や、勃起不全(ED)に悩んでいる方も少なくありません。

実は、高血圧と勃起不全(ED)には深い関係があり、放置しておくと生活の質に影響することもあります。

本記事では、高血圧がなぜ勃起不全(ED)を引き起こしやすいのか、その原因や具体的な治療法、注意したいポイントをわかりやすく解説します。

この記事で分かること
  • 高血圧とEDの関係性とは?
  • 高血圧によるEDの原因
  • 高血圧によるEDの治療法
  • 高血圧のED治療に関する注意点

高血圧とEDの関係性とは?

腫れた股間を抑える男性

高血圧とED(勃起不全)は密接なつながりがあります。

高血圧による血管への負担が、勃起に必要な血流に悪影響を及ぼすためです。

血圧が慢性的に高い状態が続くと、血管内皮の機能が低下し、陰茎への十分な血液供給が難しくなります。

実際、高血圧の人はそうでない人より勃起不全(ED)を発症するリスクが高いです。

また、高血圧治療に用いられる一部の薬は、副作用としてEDを引き起こすことが知られています。

このように、高血圧と勃起不全(ED)はお互いに無視できない関係を持っており、どちらかに悩んでいる場合には両方の健康状態に注意が必要です。

心身の健康に対する意識も高まり、適切な対応が求められます。

そもそも高血圧とは?

高血圧とは、血管内を流れる血液の圧力が慢性的に高い状態を指します。

分類収縮期血圧(mmHg)拡張期血圧(mmHg)
正常血圧120未満80未満
正常高値血圧120~129未満80未満
高値血圧130~13980~89
Ⅰ度高血圧140~15990~99
Ⅱ度高血圧160~179100~109
Ⅲ度高血圧180以上110以上
収縮期高血圧(孤立性)140以上90未満

正常な成人の場合、上の血圧が140mmHg、下の血圧が90mmHgを持続的に超えると、高血圧と診断されます。

高血圧にはいくつか分類があり、大きく分けて本態性高血圧と二次性高血圧の2種類です。

本態性高血圧は、はっきりとした原因なしに発症し、全体の約90%を占め、生活習慣や遺伝的要素が関係します。

二次性高血圧は、腎臓病やホルモン異常など明確な原因があって発症します。

分類によって治療方針や注意点が異なるため、自身の高血圧がどの分類かを医師と確認することが大切です。

高血圧によるEDの原因

カウンセリングをする医者

高血圧による勃起不全(ED)の原因は様々です。

勃起不全(ED)は原因が分からなければ治療することは難しいです。

そのため、原因を明確にするためにもここでは高血圧による勃起不全(ED)の主な原因について紹介していきます。

高血圧によるEDの原因
  • 動脈硬化による血流低下
  • 血管内皮機能の低下による血管拡張障害
  • 陰茎海綿体の血管ダメージ
  • 長期間の高血圧による神経障害
  • 高血圧治療薬(特に一部の降圧薬)の副作用
  • 血管の弾力性低下による勃起維持困難

動脈硬化による血流低下

高血圧で動脈硬化が進行すると、血管壁が厚く硬くなり、血流が悪化します。

動脈硬化によって血管の柔軟性が失われ、細い血管では血液が円滑に流れにくくなり、特に陰茎の細い血管では大きな影響を受けやすいです。

このため勃起に必要な血液供給が十分に行えず、勃起不全(ED)の症状が現れることがあります。

喫煙や脂質異常症、糖尿病など他の生活習慣病と併発すると、動脈硬化の進行は加速します。

結果的に動脈硬化が血流低下を引き起こし、勃起不全(ED)の誘因となることが分かっています。

血管内皮機能の低下による血管拡張障害

血管内皮細胞は、血管を拡張させる一酸化窒素(NO)を分泌し血流を調整。

しかし高血圧が続くと内皮細胞がダメージを受け、この機能が落ちてしまいます。

その結果、血管が十分に拡張できず、勃起時に必要な血液を陰茎に送ることが難しくなります

例えば、高血圧患者では一酸化窒素の産生が低下している例が多く報告されています。

血管拡張が妨げられることでEDを発症するリスクが高まるため、内皮機能の維持は非常に重要です。

陰茎海綿体の血管ダメージ

高血圧が続くことで、陰茎の海綿体に分布する細い血管にもダメージが蓄積されます。

これらの血管が損傷すると勃起時に十分な血液が海綿体へ送られず、勃起が維持できません

実際、陰茎海綿体の血管は非常に繊細で、血圧の変化や動脈硬化の影響を受けやすい特徴があります。

さらに、年齢や糖尿病など他の疾患と組み合わさることで、ダメージはさらに増加するのです。

陰茎海綿体の健康を守ることが勃起不全(ED)の予防にもつながっていきます。

長期間の高血圧による神経障害

高血圧が長く続くと、神経にも影響を及ぼすことがあります。

特に自律神経や末梢神経がダメージを受けることで、勃起に必要な神経伝達が滞ります。

その結果、性的刺激があっても勃起反応がうまく起きないのです。

例えば、末梢神経障害はED患者に多く見られ、感覚の低下や神経伝導速度の遅れが確認されています。

高血圧による神経障害は一度生じると回復しにくいため、早期の血圧管理が必要です。

高血圧治療薬(特に一部の降圧薬)の副作用

高血圧治療薬の中には、副作用で勃起障害を引き起こすものがあります。

特にβ遮断薬利尿剤は、勃起不全(ED)の発症リスクが高いです。

これらの薬は心臓や血管への負担を軽減する一方、陰茎への血流が減少してしまう場合があります。

すべての降圧薬で勃起不全(ED)が発症するわけではなく、カルシウム拮抗薬やACE阻害薬といった比較的影響の少ない薬も存在します。

薬の選択や変更が効果的な場合もあるため、医師と相談しながら治療に取り組むのが重要です。

血管の弾力性低下による勃起維持困難

高血圧が続くと血管が硬くなり、弾力性が失われていきます。

血管に十分な柔軟性がないと、勃起時に血液を一時的に溜めておくことが難しくなります

特に陰茎の海綿体内の血管は弾力性が重要で、これが低下すると勃起を維持できません。

また、血管の弾力性が落ちることで血圧の微調整も難しくなり、他の循環器系のトラブルも誘発する可能性があります。

結果として、血管の弾力性低下はEDの大きな要因になっています。

高血圧によるEDの治療法

腕を組んでいる医者

高血圧による勃起不全(ED)の治療法は様々です。

前述した原因をもとに、適切な治療を受けることで勃起不全(ED)の改善ができます。

ここでは、高血圧によるEDの治療法について詳しく紹介していきます。

高血圧によるEDの治療法
  • 生活習慣の改善
  • 血圧コントロールの徹底
  • 降圧薬の見直し
  • ED治療薬の使用

生活習慣の改善

高血圧と勃起不全(ED)の治療においては、生活習慣の改善が大きく寄与します。

生活習慣の改善
  • 塩分や脂質の摂取を控える
  • バランスの良い食事を摂取する
  • 適度に運動する
  • 喫煙や過度な飲酒を控える
  • ストレスを発散する
  • 十分な睡眠をとる

塩分や脂質の摂取を控え、バランスの良い食事を心掛けることが重要です。

適度な運動を継続することで血流や全身の健康が向上し、血管機能の改善が期待できます。

また、喫煙や過度の飲酒は高血圧と勃起不全(ED)の両方に悪影響を及ぼすため、禁煙や節酒も有効です。

ストレス管理や十分な睡眠を意識することで、自律神経のバランスも整いやすくなります。

健康的な習慣を続けることで、薬に頼らずとも症状の緩和につながる例もあります。

血圧コントロールの徹底

勃起不全(ED)の改善には、まず血圧を適切にコントロールすることが不可欠です。

高血圧が続くと血管や神経がダメージを受けやすくなり、治療効果も現れにくくなります。

日々の血圧測定を習慣とし、医師の指示通り薬を服用することが重要です。

効果的な血圧コントロールは、勃起不全(ED)の進行抑制だけでなく、心臓病や脳卒中といった他の合併症予防にもつながります。

血圧管理を徹底することで、勃起機能の維持・向上が期待できます。

降圧薬の見直し

高血圧の治療薬が勃起不全(ED)の原因となる場合には、薬の種類や量を見直すことで症状の改善が期待できます。

副作用の少ない降圧薬への切り替えや、使用薬の組み合わせの変更が効果的な場合も多いです。

医師と相談しながら最適な薬を選ぶことが大切で、自己判断で服用を中止したり変更することは危険です。

副作用が少ない薬剤に変更することで、高血圧と勃起不全(ED)の両方に配慮した治療が可能となります。

ED治療薬の使用

高血圧患者で勃起不全(ED)の症状がある場合、ED治療薬の使用も一つの選択肢です。

主にバイアグラやシアリスなどのPDE5阻害薬などが利用されており、飲み薬として広く普及しています。

ただし、降圧薬との相互作用や心血管系への影響があるため、使う際には必ず医師の指導が必要です。

薬による副作用や禁忌となる持病がある場合は、利用が制限されることもあります。

効果と安全性のバランスを見極めながら治療を進めていくことが重要です。

高血圧のED治療に関する注意点

注意

高血圧によるED治療を受ける際に、いくつかの注意点が存在します。

間違った治療を行えば、症状を悪化させるリスクが高まります。

ここでは、具体的な注意点について詳しく見ていきましょう。

高血圧のED治療に関する注意点
  • 自己判断でED治療薬を服用しない
  • 必ず医師に高血圧の治療状況を伝える
  • 血圧が不安定な状態ではED治療を控える

自己判断でED治療薬を服用しない

高血圧の方が自己判断でED治療薬を服用すると、重大な健康リスクを招く可能性があります。

特に、降圧薬とED治療薬の組み合わせによっては、重度の低血圧や心臓への負担増加といった危険が生じることも。

インターネットで購入した未承認薬や偽造薬による健康被害も報告されています。

医師に相談せずに薬を使うと、合併症のリスクが見逃されてしまいかねません。

必ず適正な医療機関で処方を受けましょう。

必ず医師に高血圧の治療状況を伝える

ED治療を希望する際は、現在の高血圧の治療状況や服用中の薬について医師に正確に伝えることが不可欠です。

これにより、相互作用を避けながら安全な治療を選択できます。

隠してしまうと、本来避けるべき薬が処方されたり、健康管理に重大な問題が生じる可能性があります。

医師との信頼関係を築くことで、最適な治療計画を立てることが可能です。

安心して治療を受けるために、正確な情報提供は欠かせません。

血圧が不安定な状態ではED治療を控える

血圧が安定していない段階でED治療を開始すると、全身への負担が著しくなり重大な合併症につながる恐れがあります。

特に極端な高血圧や重度の低血圧が認められる状況では、治療薬の副作用が強く出やすいです。

状態が安定するまで無理にED治療を進めず、まずは高血圧をしっかりと管理しましょう。

健康を守るためにも、医師の指導に従って段階的に治療を検討しましょう。

まとめ

高血圧と勃起不全(ED)は相互に影響し合うため、両方への適切な対応が非常に大切です。

治療や予防のためには、生活習慣の改善や血圧コントロールの徹底、降圧薬の見直しが重要な役割を果たします。

自己判断で治療することは危険が伴うため、必ず医師の指示を仰いでください。

高血圧やEDでお悩みの方は、早めに専門医へ相談し、ご自身の健康を守る一歩を踏み出していきましょう。

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